さっきので確信した。あいつは母さんじゃない何かだ。
母さんなら・・・・力を使える。
俺とおなじ風の力を。
「誰だ?お前・・・いい加減にしろ!?」
「・・・・・
あ〜ぁ ばれちゃったかぁ
まぁいっか。つまんないしねぇ〜」
そいつが顔に触ると全く別の顔になった。
「じゃあ合格〜」
すごいハイテンションな奴らしい。うざい。
「いったい何がしたいんだ?」
自然と声が低くなる。
「うわっ。まだ怒ってるよ。器ちっさ。たかが顔借り・・・」
「死ね」
風を刃にして飛ばす。
「えっ!?ちょっ、まっ・・・」
刃があたる瞬間、風が弾けた。
「なんちゃって〜。一応試験官だよ〜。そんな上辺だけの攻撃じゃ、殺せなんかしないよ?」
「上辺ってどういうことだよ!?意味わかんないんだよ!!」
いくら攻撃しても結果は同じだった。
「満足したでしょ。話し聞こっか?」
「誰がぁぁぁ」
試験官の女はいつの間にか背後にいて、腕を後ろに捻っている。
「動けば、動けないようにするわ。まずは腕、次に足って折るわよ」
抵抗しようとすると、腕が軽く捻られるのを確認した俺は頷く。
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生徒が入った扉が閉まったのを確認したあと知識は携帯を取り出し話しはじめる。
「所々に冒涜の者のいた形跡があります。非常線をはりましょうか?」
「」
「では、はらなくていいと?」
「」
「わかりました。あと気になる子が居ました。此処に来る前から力をもっています」
「」
「はい。名前は登録されていません」
「」
「名前は・・・です」