四人はウサギカフェを後にし、夜も近くなってきたので、最寄りの居酒屋へと向かった。
「平八」と居酒屋の看板に大きく書かれている。正志は運転の為、烏龍茶を残りの三人はビールを頼んだ。
「なんかこうして四人でいると、何か不思議な団体に見られるな。まともなのは俺一人か。」とつぶやく正志。
「ねぇ、私たち四人の出会いって、偶然なんかじゃなく必然的なんだと思うの。これから、私たちの身にスゴイ事が起きるのかもしれないし。」とかぐや姫は自信げに言う。
「それじゃあ、とりあえずドリンクもきたし乾杯でも行こうか。不思議な必然的な出会いに乾杯!」と正志は乾杯の音頭を唱えた。
「そういえば、明日の講演会とやらは安全な団体なんじゃろうな?勧誘とかはナシじゃぞ。」
「海賊さん、明日の講演会は安全で尚且つ神秘性にとんだものです。普段、何気なく過ごす私たちに夢と希望を与えてくれるものなんです。」とウサギ男は丁寧な口調で言った。
「ところで何でウサギ男の北村さんはそんな恰好でいるんですか?」と正志は尋ねる。
「このウサギの着ぐるみですか?これは私たち団体の幹部のユニフォームなんですよ。月と言えば、ウサギでしょ。私たちの中ではウサギはこの世界で最も神聖な生き物として崇められているんです。」
「ウサギが最も神聖ねぇ、ホントにかぐや姫の言う通りに俺達は、パラレル・ワールドに入り込んでしまったのかもしれないな。」
「どう?正志、パラレル・ワールドの事、少し実感してきたわね。これから私たちにはもっとスゴイ事が起きるんだから。」と楽しそうに言うかぐや姫。
居酒屋での会話は非日常的な会話で何か新鮮なものを感じた。
謎の女かぐや姫、記憶喪失の海賊、謎の団体の幹部ウサギ男、彼等との出会いはミステリアスであるが、正志の心の中では喜びが込み上げてきた。
”一体、これからどんな事が待ち受けているんだろうか?”