とりあえず新をお風呂に入れ、郁恵に電話した。
郁恵はすぐに迎えに行くと電話を切った。
暖かい湯気に包まれ、新がバスルームから出てきた。
「ポタージュ、入れたから飲みな」
「……」
新はずっと黙っていた。
私もしゃべらず黙って横に座り、一緒にポタージュを飲んだ。
「…なんであそこにいたか聞かないんですか?」新がポソッと言葉を口にした。
「別に聞かないよ。とにかく風邪ひかないように暖まっていきな。お母さん迎えに来てくれるって」
「……」
その後も特に会話せず、郁恵が来るまで二人でポタージュを飲みながら、テレビを見て過ごした。
「ほんとありがとう。真理。借りた服は後で返すから」
「いいよ。いつでも」
「…ありがとうございました」
帰り間際、新が軽く頭を下げて言った。
「風邪引かないでね」
私は新を送り出した。
続く