溺れる魚 5

ゆう  2009-10-19投稿
閲覧数[292] 良い投票[0] 悪い投票[0]


ピンポーン♪

そこには新が立っていた。
あの雨の日から3日が経っていた。

「この間はありがとうございました。お借りした服を返しにきました」
「元気になったみたいだね。よかった」
新は愛想笑いして軽く頭を下げた。
「お茶でも飲む?」
「あ、はい。じゃあ」



暖かいレモンティを一緒に飲む。
「おいしいです」
「よかった」
「…この間の、ポタージュも、おいしかったです」
「そう。よかった」
私は笑顔で応える。

部屋にはレモンティの香りが広がり、いい匂いが漂っている。


「…あの日、俺、失恋しちゃって…」
新が俯きながら話し出した。
「…そうなの」
「男なのにあんなになって、カッコ悪いっすよね」

泣いてたこと、言ってるのかな?

「全然そんなことないよ。むしろそんなに相手のこと好きになれるなんて素敵なことだよ。なかなかそんな相手と巡り会えないよ」
「そすかね…」
「私なんてここ最近泣いてないよ。前の彼が浮気した時も涙も出なかったし。そんなに好きじゃなかったのかもね」
「そうなんすか…でも浮気なんて…。ヒドいすね」
「もっとヒドい男もいたよ」

その後私の付き合った男性経歴の話をした。

新は私の一語一句に驚いたり、同情したり、笑ったり、していた。



続く

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ゆう 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
良い成分のみ使用
死海100%の入浴剤


▲ページトップ