その昔…。
全滅したキマイラの村は、跡形もなく燃やされ消滅した。
だか、たった一人キマイラの赤ん坊は人間界へと逃がされた。
それが…
奈々の父親…。
自分が魔界人だと気付いたのは、高校に入った頃…。
胸の何処かで…
『魔界に復讐しろ…。』
と声が聞こえた。
それが、大人になるにつれ、毎日聞こえるようになる。
人間界で暮らしていた奈々の父親は変身する事も能力の使い方もわからず成長していった。
そして、人間そのものとして暮らした。
やがて、修行の為に人間界にきたモイライと恋に落ちる…。
モイライには、自分が魔界人だとは言わなかった。
モイライが子供を身篭り、2人目も産まれた頃、王に呼び出される。
そして、思い付いた…。
心臓さえ残っていれば生きられる…
いずれ…秀明が魔界人になるために心臓を使えば………。
復讐シナキャ………。
コノ幸運ヲ逃ガシテハナラナイ………。
キマイラはその企みに成功した。
モイライを愛していると信じ込ませ…。
長い歳月が経ち秀明の体の中に入り、短期間で術を覚えた。
キマイラの復讐の時がきた。
だが…
力が足りない…。
ペンドラゴンの偉大なる力と…
実の娘、奈々の力が必要になる…。
そして、神の使いを守る
ケルベロス・ペガサス…。
その力さえあれば、人間界も魔界も全て手に入れられる…。
全ては復讐のため…。
全ては王への復讐のため…。
キマイラを全滅させた復讐のため…。
我が子を犠牲にして、愛する者を犠牲にしたキマイラの本能…。
明らかになった復讐劇。
まさに…悪魔…。