デジログ使いと翁の鍵 第7ログ―敵―

白山こっこ  2006-08-06投稿
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第7ログ―敵―\r

灰人が接近しているとは知らず、零太の家では四人が話していた。
「ま、つーわけで俺はガオウだ。よろしくな」
ガオウが初対面の零太にむかって挨拶をする。どうやら彼はランザが小さいころからの親友で、そしてもう一人のデジログ使い・サエもそうらしい。
「昔から3人でつるんで遊んでましたよ。人の家の庭燃やしたり、ペット凍らせたり」
「ろくな遊びないな…」
そう話してる間に、灰人は家に着く。
ピンポーン…
本日二度目の訪問。今度は勝手には入ってこないな、と友莉葉を見た。彼女はてへ、と頭を掻く。
ガチャ。
下に降りた零太がドアを開けた。
「どうも…」
「ちぃーっす!ランザ達いますぅ?」
灰人がした挨拶を、パートナーのサエが遮った。こうもデジログ使いというのは、人の言葉を遮るのが好きなのか。零太は一瞬戸惑いながらも「入れ」と声をかけた。
「よーう!久しぶりっ!!」
サエは変わらないテンションで挨拶をする。
「あ、久しぶりですね」
「ういっす。お久〜」
二人も思い思いに挨拶した。そのあいだ、少し遅れて部屋に入って来た灰人に人間二人が挨拶する。
「じゃ、そゆことで…ハジメマシテ…」
「は、初めまして」
「ん…」
なんだか暗くなってしまう。そんな空気があまり好きじゃない友莉葉は慌て、話を繰り出した。
「あの、灰人君ってさ、その…サエさんに話とか、聞いてたりする?」
「ん…さっき」
会話終了。それ以上進展しない。これはやはり、あまり仲が良くないからかもしれないが、友莉葉には居づらい状況だったようだ。零太もイラッときたが、友莉葉の前でいきり立ったり暴力をふるったりすれば必死に止められそうだし、何よりデジログ使いが3人もいる。ひょっとしたら俺は焼尽くされてしまうかもしれないな…
「ま、ま、全員揃った訳じゃん?なんかさ…こう、相談とかしようよっ?」
サエが、自分達だけ騒いでいるのに気付いたのかこちらを向き、話を変える。
「そうですね…やはり、今すぐ戦うっていうのもキツいですから…取りあえず明日に回しません?」
「それもそうだな。取りあえず…な、滋内?」
落ち着かない友莉葉を気遣い、零太は自分から灰人へ声を掛ける。
「呼び捨てでいい…」
「…わ、わかった…」
やはり会話の進まない灰人にイライラするも、それで終らせた。

その様子を伺っていた者がいるとも知らず…



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