捨てる男、拾う女【裏】?

幽玄  2006-08-06投稿
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‥‥‥‥人は力を持ち過ぎた‥‥‥‥







――私は右手を見てみた。やっぱり血が滴り落ちている。
[女]「中がどうなってるか知らないけど…、うんッ!!コレなら思いっきりイケそう!」
……だが、今だ傷一つ付かず、何度ぶつけても破るコトが出来なかったこの窓を。たかが、不思議グローブなんかで助けれるのか……。
[女]「レーザーが出るとか!…そんな訳ないかぁ〜、まぁ良いや♪。よーしッ!」
構えは下段突きチョイ斜め。狙いは勿論、後部座席の窓。あの感覚、直感を信じて、このグローブを信じて。今、裂帛の気合いと共に唸りを上げて拳を突き出す。
[女]「ハァァァァッッ―――ハッッ!!……!?……えっ」

あの感覚、直感は自分の想像を遥かに超えていた。

何が起っているのか訳が分からなかった。私は私の五感をフル活用して目の前の状況を把握しよう試みる。
まずは、視覚。
暗い霧。黒い塊。―――深淵。分からない。
駄目だ!視覚は頼りにならない次は、聴覚。
唸る声。吼える声。叫ぶ声。囁く声。―――咆哮。
いや、そもそもソレが音の領域に収まるモノなのか?。分からない。
、嗅覚。
自分に付けた香水しか匂わない。話にならない。
、味覚。
口の中がカラカラだ。声が出ず、開いたままだ。
、触覚。
痛くない。触れていない。拳を突き出そうとして気付き、慌てて引っ込めた。手が震えている。

そして、ソレは私が把握仕切れないまま消えていった。窓とその周辺と一緒に…。少し無くなったからであろうか、車がグラついていた。
[女]「……………」
私は消えた部分を見つめる。切断されている感じでもなく。引きちぎられた感じでもない。本当に今まで其処に存在していたのか?、と思うくらい綺麗さっぱり無くなっている。
視線を震える両手に落とす。空気に摩擦しているのか機械ポイ金属に紫電が走っている。
[女]「…………………」
紫電が止んでも手の震えは止まらない。震えは手にだけに留まらず全身を震わせ始める。
[女]「…なに、コレ……………………。凄い…。凄い。凄い!凄い凄い凄い凄い!凄〜い!!本当に!…本当にテレビのヒーローみたいだぁ〜♪かっくぃ〜〜!」
頭の中で花火が上がった。


中の親子達を安全な場所に運び出して、携帯で救急車を呼ぼうと電話をかけていると、一台の変わった車が凄い音を引き連れてコッチに向かって来た。
…続きます



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