梟は二度鳴く(11)

ナツ  2009-10-22投稿
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暗闇に浮かぶ二つの翡翠のような碧が人の瞳であることに気がつくまでにミケーロは時間がかかった。

それはまだ幼い面影を残した少女だった。
陶器のような白い肌が月明かりに洗われて淡く発光していた。
長くのびたブロンドの髪には軽いウェーブがかかっていて、それが幼い顔立ちに似合わず物憂げで蠱惑的な雰囲気を漂わせていた。

ベッドの上で白いシーツにくるまった少女は一糸もまとわぬ姿でいた。
目の前で繰り広げられた惨状に声を失っているようでその瞳は大きく見開かれていた。

ミケーロは少女の存在に気がつくと次の瞬間には当て身をし、少女の気を失わせた。
ぐったりとした少女をシーツにくるめたまま抱き抱えるとミーケロはそっと音もなく闇に消えた。



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