龍之介のそのセリフを聞き
悲しみをこらえて
私はその場でたたずんでいた
会場にマイクから響き渡る龍之介の声
【俺は前からずっと好きだった。彼女がいたから学校にも来ていた。でも照れくさくて…話しかけれなかった…】
そこまで聞いたらもう私はここにいる必要がない
龍之介が好きで好きで
会えると思って来たライブ
でも龍之介には好きな人がいた しかも今ここでみんなの前で告白してる
切ない……
【ごめん私帰るね嘉奈】
【え?美優聞かないの?】
【うん…悲しいから】
そうして私は龍之介の言葉の途中で帰ろうとした。
そして龍之介の言葉は続いた
【こんなに人を愛しく思ったのは初めてです。
付き合ってください
好きです…………美優。】
え?嘘…
龍之介…私の…私の名前…呼んだ…。美優って言った…。
私は涙が出た。
龍之介が見えないぐらい目に涙をうかべた。