「はあ・・・。」
彼のバランスの良い字を見るとため息が出る。
なんで私なんかに・・・。
まあ、メルアドを聞く手間が省けたわけだけど。
でも問題はここからだ。
メールをしなきゃいけない。
まず文は思い浮かんだ。
だって、今日のお礼を言えばいいだけの話。
でも送る勇気が無いのだ。
「今日はありがとうございました。
とても、ためになりました。
またの機会があったらよろしくお願いします。」
たったこれだけの文。
簡単じゃないか。
何を緊張しているんだ。
私の中の客観的な私が、私を怒る。
私と先輩は出会わなくて良かった。
ましてや、顔でさえ合わせなくても良かった。
でも出会ってしまった。
何も接点の無い私達。
この胸の高鳴り。
普通じゃない。
私は恋をしてしまったのだ。
なんで、こう私は臆病なんだろう。
私は送信ボタンを前にして、震える親指を無理矢理動かそうとした。
ぐっ。
「送信しました。」
はあ。。。
いつまでも画面を見ている私。
早く返信が来ないかな。
15分後。
先輩からの返信がきた。
私は中身を見て、とても恥ずかしく思えた。