遠い遠い君へ

jくろ  2006-08-06投稿
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「はあ・・・。」
彼のバランスの良い字を見るとため息が出る。
なんで私なんかに・・・。

まあ、メルアドを聞く手間が省けたわけだけど。

でも問題はここからだ。

メールをしなきゃいけない。

まず文は思い浮かんだ。
だって、今日のお礼を言えばいいだけの話。

でも送る勇気が無いのだ。

「今日はありがとうございました。
 とても、ためになりました。
 またの機会があったらよろしくお願いします。」

たったこれだけの文。
簡単じゃないか。
何を緊張しているんだ。

私の中の客観的な私が、私を怒る。

私と先輩は出会わなくて良かった。
ましてや、顔でさえ合わせなくても良かった。
でも出会ってしまった。
何も接点の無い私達。
この胸の高鳴り。
普通じゃない。
私は恋をしてしまったのだ。
なんで、こう私は臆病なんだろう。


私は送信ボタンを前にして、震える親指を無理矢理動かそうとした。
ぐっ。

「送信しました。」

はあ。。。


いつまでも画面を見ている私。

早く返信が来ないかな。


15分後。
先輩からの返信がきた。
私は中身を見て、とても恥ずかしく思えた。

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