ちょっとした素朴な疑問ってやつだったんだが、その時の友美の態度に俺はびっくりした。この部屋で友美の幽霊を見た時よりもびっくりした。
なんとあの言いたい放題の友美が急に下を向いて、モジモジしてるじゃないか!
信じられない事に、友美がはにかんでいるのだ。
そして、上目遣いでチラッと俺を見て、恥ずかしそうに小声でこう言った。
「だからあんたは鈍感の世界ベビー級チャンピオンだっていうのよ。」
そっかー!こいつ死んでも俺と暮らしたかったのか。
だから自分の家に帰らずに、俺の部屋に化けて出てきたのか。
俺は自分が死んだのも忘れてニヤニヤしてしまった。
そっかー!俺達二人共死んじゃったけど、でも友美が俺の事をそんなに思ってくれてるんなら、ずっと二人でこの部屋で生きていくのも悪くないか。
俺達死んだのに、生きていくっていうのは、ちょっと変か。
俺もなんだか少し照れて、頭を掻こうとしたが、頭が無かった。
?完?