遠い遠い君へ

くろ  2006-08-06投稿
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「すみませんが、どちら様でしょうか・・・?」

あ・・・。名前書くの忘れた。

妙によそよそしい文章に、涙ぐんでしまう。

「すいません。第1中の黒田紅璃です。」
あわててお詫びのメールを送る。
すると即、先輩からの返信がきた。

「おお!紅璃ちゃんか。
 今日はあんまり良いこと教えられなくてごめんな。
 なんか分からないこととかがあったら、いつでもメールして♪ 
 わかる範囲で答えるから。」

今度はアットホームな文章。
言い知れぬ安堵感。
「紅璃ちゃん。」だって。
先輩はそういう風に私を呼んでくれるのか。

そう思うと自然に笑みがこぼれる。

「いえいえ!!すごくわかりやすかったですw
 先輩は、ドコ中出身なんですか?」

私は会話をなんとか繋ぎ止めようと、質問系の内容にする。
ピロリン♪先輩からの返信だ。

「俺?俺は紅璃ちゃんと同じ第一中だよ。
 実は卒業生(笑」

え・・・?卒業生??
知らなかった。
そういえば卒業生ですごい楽器が上手な先輩がいるとは
聞いたことがあるような・・・


思わぬ共通点に飛び上がって喜んだ。

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