「すみませんが、どちら様でしょうか・・・?」
あ・・・。名前書くの忘れた。
妙によそよそしい文章に、涙ぐんでしまう。
「すいません。第1中の黒田紅璃です。」
あわててお詫びのメールを送る。
すると即、先輩からの返信がきた。
「おお!紅璃ちゃんか。
今日はあんまり良いこと教えられなくてごめんな。
なんか分からないこととかがあったら、いつでもメールして♪
わかる範囲で答えるから。」
今度はアットホームな文章。
言い知れぬ安堵感。
「紅璃ちゃん。」だって。
先輩はそういう風に私を呼んでくれるのか。
そう思うと自然に笑みがこぼれる。
「いえいえ!!すごくわかりやすかったですw
先輩は、ドコ中出身なんですか?」
私は会話をなんとか繋ぎ止めようと、質問系の内容にする。
ピロリン♪先輩からの返信だ。
「俺?俺は紅璃ちゃんと同じ第一中だよ。
実は卒業生(笑」
え・・・?卒業生??
知らなかった。
そういえば卒業生ですごい楽器が上手な先輩がいるとは
聞いたことがあるような・・・
思わぬ共通点に飛び上がって喜んだ。