次の日の午後6時、隼人は、一人で空港にいた。
小林は予定が合わないそうで、来ていない。
「そろそろか・・」
目の前の人の波が一段と多くなった。飛行機が到着したようだ。
ふと、一人の青年が話し掛けてきた。
「あの、警察の人ですか?」
白地に黒い模様のTシャツと黒いジーンズでくせ毛の青年だった。
「え?違いますけど。」
「あ、すいません。てっきり警察の人かと。失礼しました」
彼は、体に合わない 大きなカバンを持ち上げて、
その場を去ろうとした。
「警察?ん?まてよ・・・・」
隼人は青年に尋ねた。
「あの、名前は・・」
「神崎零といいます。」
隼人が言い終わる前に早口で答えた。そして、付け加えるように言った。
「探偵ゼロともいいますが・・」
隼人は驚きを隠せなかった。