再会 ?
2人は、恥ずかしげに、うつ向きかげんで、会う人毎に軽く会釈をしながら、西尾家の墓の前まで来た。
そして、手を合わせて黙祷をし終わると、一人の婦人が声を掛けて来た。
「もしかして、あんたは、西尾さんのケンちゃんかい?」
2人は振り向き、その婦人の顔を見た。
「はいそうですが……。あっ、オバサン!」
「えっ、オバサン?」
亜紀は、キョトンとした顔で、聞き返した。
「智樹のオバサンだよ。ねえ!」
「はい、中野です。しばらく振りだねえ。こちらの“ベッピンさん”は、ケンちゃんの奥さんかい?」
そう言われて、2人は顔を赤くした。
「いいえ、中野君や西尾君の同期生の、高島亜紀です。」
「高島さん?……ああ、お父さんが落盤で亡くなった!」
「はい、あの時は随分お世話になりました」