ある日のことだった。
俺は目をさました。
殴られた頬がいたい。
そして、ひよこヘッドを
思出した。
はきそうだ。
「やばいやばい!」
変なこと考えるのはやめにしよう。
俺は自転車ではなく、歩いて登校することにした。
親には「気分で」とごまかしたのだが、実はここだけの話、ひよこヘッドを警戒していた。
もう会いたくはなかった。
マジで
もうそれは「嫌」の領域を越えていた。
もうそれは「恐怖」だった。
そして、気付いた。
あいつは他校生だから、
このじかん、警戒する必要 はなかった。
「恥ずかしっ!何者だ、俺!!」
さっきまでの俺はかるく
ストーカーだった。
電柱の影から回りをうかがうなんて、ストーカー以外の何者でもなかった。
今日、何かが違う。
何かが。