四人は居酒屋を出ると、ビジネスホテルへ向かった。明日の講演会の為、目黒区のホテルへ移動した。部屋割は正志とかぐや姫、海賊とウサギ男にわかれた。
正志は503の部屋に入るとフゥっとため息をついた。まさか、あの謎の占い師の言ってたとおりにかぐや姫、海賊、ウサギ男に出会えるなんて。
あの老人は、僕の望みを叶えると言った。もしかして本当に僕の人生が180度変わるかもしれない。
「かぐや姫、あの海賊とウサギ男の事、どう思う?」
「さぁ、あの人たちはとても良い人達よ。今は不思議に思うかもしれないけど、段々あなたは彼等に愛着というものが湧いてくるわ!」
「かもな。海賊の船、ウサギ男の言う講演会、その二つが上手いこと重なると何かが分かるかもな。とにかく謎だらけだ。そして、君も、かぐや姫、どうして君は先に起こる出来事を予知できるんだい?」正志はずっと気にかけてた事を聞いた。
「私はあなたのキーパーであり、案内人でもあるのよ。もし、ツアー旅行でガイドがこの先に何処に行くとか、何処で食事をするかを分かっていなかったら大変な事でしょ。私もこのマジカル・ミステリ−・ツアーの添乗員みたいなものよ。きっと、全ては上手くいくわ!」
「君はガイドで僕はお客。でも普通はバスガイドと旅行客は会ってすぐにベッドなんかで一緒になんてならないさ。確かに君は案内人的な役割を持っているが、僕には君がもっと大きな得体のしれない力を持っているように思われるんだが。」と正志は不思議な表情をして言った。
「得体のしれない力、あなたはそう読むかしら。きっとそれはその時がこれば分かる事よ。あなたと私はこれからもっと深い関係になるかもね。」とかぐや姫はそう言い正志のもとへ駆け寄った。
二人は目を合わせると軽くしなやかにお互いを愛撫した。そして二人の唇がそっと重なりあった。もうここは現実の世界でもパラレル・ワールドでも無い。僕ら二人の世界さ。
昨夜の甘美で官能的な情景がデジャブのように巡ってきた。
そう、ここは二人だけの楽園さ。・・・??