エリンは元の姿になり、その場に倒れた…。
「エ…リン…。」
エリンの側に寄り、様子を伺う。
意識がない………。
「目…開けてくれよ…。なぁ…頼むよ…。」
冷たい頬…。
涙の跡…。
エリンを守る事が出来なかった…。
僕は…
ボクは…。
「エリーン!!」
泣き崩れ、頭が真っ白になる。
周りで
死神も…
ライアンも…
気付けば、奈々…
王も…。
「あ………。」
言葉を出す事すら出来ず、ただ途方にくれる…。
みんな…やられた…?
僕が悪い…?
みんなを守らなければならないのに…。
僕が…やめようなんて言うから…。
少しでも…
望みがあるなら…。
みんなが
幸せに…なるならって
そう思っただけなのに…。
甘かった…。
「後ハ オ前ダケダ…。ケルベロス…。」
じりじりと近づくキマイラ…。
(ハーン…愛してるよ♪)
エリンの声が微かに聞こえた…。
「あぁーーー!!」
僕はまた無意識に奇声を上げた。
その振動は地響きになり、地面が割れる。
「バカナ…ナンダ…コイツハ…。」
「俺にかなうと思ってんのか…?」
思ってもいない言葉が口からこぼれる。
「ナンダト?!ハッタリカ??」
「はったりかどうか…その体で味わうがいいさ…。」
魔界一の決戦が…
今始まる…。
8章 終り