夕焼け空に、明日の希望を託しませんか。
「今日は、随分働いたな。」
男は、職場を後にして家路に向かった。
何時もの橋を渡ったらもうじき我が家が見えて来る。
家の門をくぐると、玄関が無いんですよ。
「あれっ、家を間違えたかな?」
しかし、間違いなく我が家である…
何故玄関が無いんだろう。
入口の無い家に成っていた我が家。
主人は捨てられたのか。
此処は、人里離れた村外れ、人は、たまにしか通らない。
男は、願いの淵を線香と共に、火を付けて頭を下げた。
何時かは、バレる犯罪…
御免よ。今日も遅く成っちまった。
「ご苦労様でした。明日も頑張ってね。」
「嗚呼、頑張るよ。」
男は、妻に、そう言い放つと、静かに…
霊園の墓の前に、静かに眠りについた。
墓の周りに、光に満ちた、電光がざわめいた。