次の日からピエロは女の子の元へ通った。
徹夜で考えた一発芸。
十八番の玉乗り。
お得意のパントマイム…。
でもなにをしても女の子は笑わなかった。
ピエロはだんだん悲しくなった。
「ちくしょう。オレの芸は女の子一人笑わすこともできないのか!」
女の子は笑うことができずに泣いてばかり。
そんな彼女を見て、自分が悔しくて、ある日ピエロも泣きはじめてしまった。
女の子の悲しみが伝わってしまったように大声で泣いた。
女の子とピエロ、二人で泣いた。
泣き続けているうちにピエロの鼻が赤くなって、さらに大きくなり、次第には丸くなってしまった。
ピエロは無理矢理笑って女の子に鼻を見せた。
「はは…どうだいオレの新しい鼻!」