MARIA〜人魚の恋〜(15)

じゅりあ  2009-10-26投稿
閲覧数[194] 良い投票[0] 悪い投票[0]

何とか身にまとったマリアは、ゆっくりと岩を降り地に足を付けたが上手くバランスが取れず…

そのまま倒れこんだ。

…と、思ったのだが気付いたサイファが抱き留めた為、綺麗な薄ピンクのドレスは砂塗れを免れた。

「大丈夫ですか?」
頭上にサイファの顔がある。
そう考えただけで硬直してしまうマリアは頷くのが精一杯だった。

サイファの体が離れて初めて「ありがとう」と口にする。
サイファは柔らかく微笑むと疑問に感じていた事を訊ねた。

「一体、何処から来たんだい?」
「…!」
唐突な質問に躊躇する。

「あ…あの…」

実は私は人魚で、海の底からやって来ました…なんて言える筈もない。

と、口籠もる様子を察したサイファは違う質問を投げかけた。

「マリア…だったね。失礼した。もし貴女に此からの予定がないのであれば、是非とも私の城にお招きしたい」

彼からの思いも寄らない招待に心が揺らめいた。

「はい!」
マリアは飛躍する気持ちを出来るだけ抑えて返事をすると、慣れない足取りでサイファの後に付いたのだった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 じゅりあ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ