新の隣に座っていたのはセーラー服を着た可愛らしい女の子。
こうして見ていると爽やかな高校生カップルだ。
新は正しい選択をした。
これでよかった。
よかった。
「真理、最近恋愛してる?」
郁恵と喫茶店でお茶している時に、郁恵が聞いてきた。
「恋愛ねぇ…。私、付き合っても長続きしないんだよね。しばらくはそういうのはいいかな」
苦笑いしながら私は答える。
「そうなの?真理、モテそうなのに。気になる人とかもいないの?」
「いない」
私は即答した。
「実は新がね、この間女の子家に連れてきてね。初めてのことでびっくりしたのよ」
「へぇ。そうなの」
そうなんだ。
「新も子供だ子供だと思っていたけど、女の子と恋愛するような年になったのよね」
郁恵は笑いながらも、どこか寂しそうに話した。
「でも、新くんだってもう17だよ。恋愛のひとつやふたつ当然でしょ」
「それもそうよね」
郁恵は笑って頷いた。
そう。新はまだ17。
新はまだ高校生。
私は、その言葉を自分に何度も言い聞かせていた。
続く