「ハァハァ…」少年は汗を服の袖の部分で拭き、そのまま地面に座り込んだ。暑く、運動するにはきつい。「光河〜！もう一周！」
「またっすかぁ！？」陸上部の先輩が強制的に言った。仕方なくまた一周走ったのだった。
「信夜！ラストラスト！」光河信夜が走っている側で、少女の声がした。信夜の幼馴染み、荒沢香織だ。それから数秒後。信夜は一周走りきり、地面に寝転がった。息が上がる。
「いま何時？」信夜が香織に聞く。
「もう五時だ。そろそろ帰ろっか。」香織は信夜の手を握り、そのまま信夜の体を起こしてやった。それから二人は支度をし、帰宅した。
「キャァァァァァァア！」信夜は自分の部屋のカーテンから外を覗いた。香織だ。香織の前には謎の物体がいる。
「…っそ！」信夜は部屋に置いてあったシューズを履き、窓を開け、地面に飛び降りた。すぐさま謎の物体を蹴りあげ、香織を自分の家に誘導した。
「化け物かよ！？」誰もがその言葉に頷くだろう。牙は顎まで伸び、あちこちから鋭利な刃物が飛び出ていた。信夜はどうやって逃げようかと考えながら、化け物と対峙した。
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