4人は森を駆け抜けた。
森を抜けた先で
彼らが目にしたのは
サニー村の無惨な姿だった。
「…一体何が…?」
畑からは炎があがり
人々は砂地に倒れ
血の海が広がっていた。
レンの顔は恐怖で歪み
ルカ達はただ立ちつくした。
「…!
カリじい、カリじい!!」
レンは再び走り出した。
ルカ達もその後を追う。
「カリじい?カリじい!!!」
やがてレンは血をながし
倒れている老人に駆け寄った。
「…レン…か…
良かった…怪我はしておらぬな…
…いいか…今すぐ村をでろ…」
カリの長い白髪は焦げ
右目はほとんど開いていない。
「いや!私はこの村をでない!!」
「いかん!…はあ…今すぐ
…はあ今すぐ出てゆけ!」
「…いや…」
レンの瞳に涙が浮かぶ
「…頼む…レン…
お前は生きるのだ…」
「カリじい…カリじい!」
老人の瞳が閉じられる。
「いやだっ…いやあー!!!」
静かな村にレンの叫ぶ声だけが
響いた
「…このおじいさんの
言うとおり…
ここは危ない…
敵はまだ…」
「おや、まだこんなところに生存者が?」
背の高い男が近づいてきた。
黒い衣服に包まれた男の周りを
怪しげな仮面の人間が
囲んでいた。