サンタの手袋 ?

あこ  2009-10-27投稿
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僕は女に拳銃を突き付けたまま、左手で女の肩を掴む。


「願いごと…聞いてくれないのかぁ〜。それとも、焦らしてる?」




女の息が熱い。


この女、酔ってるのか?


女の息は熱く、アルコールの臭いがした。


「バカヤロー!!!」


女はいきなり叫んだ。酔っ払い相手じゃ脅しも効かない。


慌てて女の口を抑える。


仕方なく僕は女の腰を持ち、担ぎあげた。

女は見かけよりも更に、体重という概念そのものが消失してしまったかのように軽かった。

そのおかげで僕は軽々、女を車に乗せることができた。

とりあえず、この場から離れなくては。

僕は女をトランクに押し込み、女の口にガムテープを乱暴にはった。


女は抵抗することもなく、とろん、とした目で僕を見てた。

僕はトランクを閉め、ハンドルを握った。

とりあえず走らせることにした。

人気のない内に、この女をどうするか考えるべきだった。


そう、この女さえ居なければいつものように、二、三日山に篭り、家に帰ることが出来たのに。

そう考えるとやたらに女に腹がたってきた。

女を連れてきてしまった自分にも。


事態はどんどん複雑になってく気がして、僕は煙草に火を点ける。

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