奈央と出会えたから。<402>

麻呂  2009-10-28投稿
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聖人は、そんな光景を、黙って見ていた――



表情ひとつ――



変えるコトも無く――



『京谷クン。

この3枚目と4枚目の、植物のアップの写真は結局、

違法なモノではないと判断されたはずではないか!!

とにかく、写真は全てニセモノだ!!

うちの息子とは無関係だ!!

それに、なぜ私達親子が、北岡クンに感謝しなくてはならないのだ?!

全く、おかしなコトを言うね、君も!!』



声が裏返るほどに動揺していた森宮の父親の、必死に言い訳をする姿を、



もしも、



学校関係者に見せたなら――



誰が、



教育委員会の教育長であると想像出来ただろうか――





『シラを切るのも、いい加減にしろよ古ダヌキがッッ!!

3枚目と4枚目のクサのアップの写真を、

違法に該当しない“ケナフ”の写真とすり替えて、

博物館の館長サン宛てに送信するコトを提案したのは、

聖人だからだよ!!
なぜだか分かるか?!

そこが、聖人の甘い所だと、俺も思っては、いるのだが、

森宮‥‥テメェをブタ箱に入れさせない為の、ありがたい配慮だと思えッッ!!』



ガクンッッ――



森宮の父親は、



大きく肩を落としたかと思うと、



その息子の隣にひざまずいた――



ジョジョジョジョジョ―ー‐



さっきから、頭を抱え込んだままの森宮の足元から、



黄色い液体が流れ出していた――



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