そうだ
ちょっと部屋の
片付けをしてみよう
ふと思いたって
のんびりと始める
ほんの気晴らし
天気もいいし
部屋も気持ちも
一緒に綺麗になっていく
普段はあまり
開けない整理箪笥の
引き出しから出てきた
宛名のない封筒の手紙
つたない文面と
たどたどしく書いた文字
大好きな人を想い
その全てを綴った手紙
結局出せなくて…
そうか
こんな奥底に
しまい込んでたんだ
懐かしいな
思い出は
いつまでも美しいままで
それでも
この手紙の様に
色褪せてゆく景色なのだと
甘く切ない想いが
胸を締め付けるけれど
その手紙をまた
引き出しの奥底に
そっとしまって微笑む
そんな
麗らかで穏やかな午後