ほんの小さな私事(127)

稲村コウ  2009-10-28投稿
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「因みに、この学校では、秘密裏に、そういった能力者を育てているのさ。その機関が、『ゴーストハンター育成委員会』っていうので、略して『GH会』って呼ばれてるのさ。この委員会は、なんと言うか…裏の生徒会みたいなもんかな?それを知っている面々だけが、その会に所属して、専属の教育者が、それぞれの能力を伸ばす手助けをしたり、実際に起こる霊的な事件の対処をする、とかね。そこにいる櫻井も、GH会に所属してる一人だよ。」
「えっ!うそ?あんた…そうだったんだ?知らなかった…。」
そう、櫻井君を指差して言った高野さんに、櫻井君は、呆れた顔を見せながら答えた。
「知らなくて当然だと思うけど…。そもそも君、GH会の事を知らなかったんだろうし、GH会は、表立って動く事はしないからね…。それに、加藤さんが説明してくれた通り、この会は、秘密裏で活動してるんだからさ…。」
「…なんかムカつく言い方。確かにそれはそうだけど…どうしてあんた、いつもそんなんなのよ!」
「そう言われても…ね。僕は正論を言っているだけのつもりなんだけど…。」
「そういう態度が鼻につくのよ!もうちょっと…」
そこまで高野さんがいいかけた所で、なつきさんがウンザリした顔をしながら口を挟んだ。
「そういう痴話喧嘩はあとでやってくれ。話が進められん。」
その言葉で、二人は言い合うのをやめたが、高野さんは、ムスッとした顔をして、そっぽを向いてしまった。
そんな彼女を横目に、なつきさんは、説明を続けた。
「多分、察してはいると思うが、今回の件に関わった皆は、このGH会に所属してもらおうと思ってる。まあ、強制じゃないが、今後の事も考えて、出来れば所属おいてもらった方が良いと私は思っているんだ。」

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