DRAGON LOVER 9章
最大の力 対 最強の力
みんなの敵を取る為に、僕はもう感情を捨ててしまおう………。
そう心に決める。
「私ニ勝テル? 笑ワセテルツモリカ? 私ハ オ前達ノ チカラヲ奪ッタンダ…。私ニ勝テナイ!!」
「勝てない?………いや、勝てる。俺を甘く見るなよ。」
体が熱い…。
なんか…胸のあたりがぎゅっとなる感覚…。
はったりだった…。
勝てる訳がない…。
そう思っていたのに、意志とは逆に動く体。
またさっきの…
本能…???
「オ前ノ 妖力 ナンテモウイラヌワ!!消エテシマエ!!」
さっきよりも物凄い火炎。
油断した………!!
やられる………!!
思わず目を閉じた時、僕の目の前に影が…。
「モイ…ライ…。」
キマイラはすぐに炎を消す。
モイライが僕の目の前に現れた。
「もう…やめましょう。奈々まで苦しめて…。秀明まで…。」
泣きながらキマイラを抱きしめる。
「ヤメロダト?邪魔ヲスル気カ?!」
「復讐はもう十分でしょ?これ以上は…。」
「人間ニナッテシマッタ オ前ニ何ガ出来ル?ドカナイト命ガナイゾ!!」
もがくキマイラを必死に止めるモイライ。
「命はもう…人間になった時から覚悟はしてました!!あなたが…キマイラだとゆう事も…知っていました…。」
「!!」
(知っていた…?)
キマイラはもがくのをやめて、モイライを見た。
「知ッテイタノカ…?知ッテテ何故…?」
うろたえるキマイラ…。
「信じたかった…。ただ…あなたを。あなたが愛してるとウソを言ったとしても、少しでも信じたかった…。」
涙を流すモイライの姿をキマイラにはどう写っているだろうか…。
イタイ…?
クルシイ…?
何とも…思わない…?
「信ジタカッタ?バカナ…。私ハオ前ナド愛シテナンカ…。」
後退りしながら、キマイラはしゃべる。
どう見ても、うろたえてる…。
「愛してないなら、私を今殺しなさい!!人間になった私を………。すぐに、命の糸は切れるわよ…。」
そう叫ぶと、キマイラは黙りこんだ。