「殺セダト…?」
「そうよ…何とも思わないなら…殺せるでしょ?」
ためらっている…。
「無理ダ…オ前ヲ殺ス事ハ出来ナイ…。マズ、ケルベロスヲヤッテカラダ!!」
(不意打ちかよっ!!)
キマイラの攻撃をかわし、僕は身構える。
「消エテシマエ!!」
噛み付きながら炎を吐く。
僕の体は炎に包まれた!
僕はキマイラの体を噛み付き、キマイラを投げ飛ばした。
炎は消えず、僕の体を燃やしていく。
(あっち〜。)
体を地面に擦りつけて消そうとした。
(こりゃ…消えねぇ…。)
諦めかけた時、天から滝のような水が落ちてきた。
「イテテテ!!なんだよこの水っ!!」
(…あれ?この技が出来るのって…。)
恐る恐る後ろを振り向くと、ゲラゲラ笑うライアンの姿…。
「ライアン!!」
「あははっ痛かった?水出し過ぎちった♪ごめんね♪」
僕は思わず涙…。
「もう…ダメかと思ったじゃんかっ!!」
怒鳴りつけながら近寄る。
「あ〜おかしい♪…俺だけじゃねぇぜ。」
後ろを指差し、僕はその方向を向く。
みんなが立ってる…。
「あ…みんな…。」
(ちくしょ〜涙もろい………。)
「やだ、ハーンてば泣いちゃって。子供みたい♪」
エリンも笑って僕を抱きしめる。
エリンも涙目だった…。
「なんで?どうして?みんなまだ妖力あったの?」
僕はみんなの顔を見ながら質問する。
「ハーン…。後ろ見てみろ。」
死神は僕の体を後ろに向かせる。
みたことある足…?
すぐ見上げる。
「久しぶりだな…ハーン…。」
「ゲッ!!親父!!」
僕がこの世で一番怖い人物…。
レン・ジャネット………。
思わず逃げようとすると、僕を猫づかみして持ち上げる。
「みんなのキズ治したんだ…。礼ぐらい言えねぇのか?あん?」
「あ…ありがとうございます…お父サマ…。」
コイツの存在は、人間界で言う『ギャング』より怖い。
「オイ!!話シ弾ンデンジャナイ!!」
キマイラは苛立って怒鳴る。
「よし…第二ラウンドといきますか…?」
みんながいれば
もう…
怖いものなどない…。