「ここは…」信夜はしゃがみ、小石を取ると化け物の目に投げつけた。化け物は痛みでうめき、目を手で抑えている。
「ストライク!」猛スピードで走り、家の玄関までたどり着いた、その時だ。
「グァァァァア!」化け物の爪が伸び、信夜の肩に突き刺さった。化け物は爪を縮め、信夜に襲いかかる。「…っ…!」力が入らない腕で玄関を開け、家に入った。
(そういや家の地下に貯蔵庫みたいな所が…)シューズを脱ぎ、地下の扉がある台所まで走った。
「信夜!大丈夫!?」先に香織が入っていた。信夜の家族全員避難している。
「あぁ…。大丈夫だよ…」信夜は貯蔵庫の奥を見た。そこには一本の日本刀があった。
「何だこれ?日本刀?」刀を少し抜いてみた。錆びてはいない。使える事を確認すると、信夜は貯蔵庫の扉を開けた。
「信夜!どこいくの!?」香織が聞く。
「外だ!香織は警察に電話してくれ!」信夜はそう言い、貯蔵庫から出た。