我が奥底に眠る神秘の力
今こそ目覚めの時
偉大なる神秘の力
今こそ雷雲となり
地に降り立て
そして
守り神となり
我等を神秘の力で守りたまえ…………
巨大な力が空に広がり、一つになる………。
「てめぇもおしまいだ!!くらえ!禁断の魔力っ!!」
一つになった妖力は勢いをつけて落下する。
眩しい輝きを放ちながら…。
今までにない…
最大…最強の力…
やがて…
光は消えていき……
キマイラの姿はなくなった………。
「あいつ…消えたのか…?」
ライアンはキョロキョロと辺りを見回す。
「いねぇな…。死神…お前わかんだろ?」
僕は元の姿に戻り、死神に問い掛ける。
「完全燃焼………ってトコだな。」
微笑んで答える。
みんなで顔を見合わせ…
ガッツポーズ!!
「やった〜♪♪ハーン愛してる〜♪♪」
エリンは抱き着き何度もキスをする。
だが…一人フラフラとモイライのそばへ行く奈々。
後ろ姿が切なく苦しい。
それに気付いたライアンは走って側へと行く。
僕等は黙ってその姿を見つめる…。
「終わったのね…。」
「あぁ…。終わった…。」
「お母さんも…秀明も…いなくなったのね…。」
「………。」
ライアンはそっと肩を抱いて
「俺がいる…。」
そう呟いた。
嬉しいはずなのに、やっぱり…悲しい…。
「ハーン、ライアン。よく頑張った…。エリンも奈々も…。このワシが、褒美をとらせるぞ。死神!!あの術…、今回だけやっていいぞ!」
閻魔が死神に指示をする。
「へっ???」
目を点にして、閻魔を見る。
「へっ?じゃない!甦りの術を使えと言っとんじゃっ!!」
(甦りの術…?)
みんな静まり返り、一斉に死神を見た…。
「でも…あれは人間じゃないと効かない…。」
「モイライはもう人間だ。秀明も…人間として甦らせればよい。………何をボーっとしとる!早くやれ!!」
「ひゃっっ…はいぃ!!やりますっ!!」
死神は手を天に広げ、ぶつぶつと唱え始めた………。