気になっていたことがあった…。
前に公園で新と一緒にいた彼女。
彼女とは、どうなったんだろう…。
そんな事を聞いたら、大人げないかな…
でも…気になる。
「真理さん、どの映画にする?俺ホラー系がいいな」
「新。聞きたいことがあるんだけど…」
「何?」
「あの…ちょっと座らない?」
新は怪訝な顔をして私を見る。
「…嫌な話?」
「ううん。聞きたいことがあるだけ」
「…うん。じゃ座ろ」
映画館のベンチに腰を下ろす。
今日は土曜日。人が込み合っていて、周りはざわついている。
「…前に公園で新が女の子と二人でいるところを見たの。彼女…だよね?」
郁恵が家にも連れてきたと言っていた。
「彼女と、どう、したのかなって…」
「……」
新は黙っている。
新よりはるかに年上のくせに何を細かいことを聞いて…なんだか恥ずかしくなってきた。
「でも、いいの。別に新に他に彼女がいても…私は…」
焦るように言い足した。
「他に彼女なんて…俺は真理さんだけだよ」
私の目をまっすぐ見て、新は言ってくれた。
それだけで、こんなに嬉しくなってる。
新のこと、いつからこんなに好きになってたんだろう。
「彼女とは…」
新が言葉を続けた。
続く