「……綺麗な空……」
道路に大の字に寝そべって、大きな空を見るのも、なかなか悪くないな。
どこまでも、透き通るような美しい青色をして、薄いうろこ雲のかかった、秋の高い空を見ながら、美穂は、そんなことを思っていた。
「私、死んじゃうのかなぁ……」
周りのお祭りのような大騒ぎが嘘のように、美穂には、何も聞こえなかった。ただ、どこまでもつづく青い空が、自分のちっぽけな姿を教えてくれていた。
美穂を取り囲む、ザワザワとした慌しい環境とは正反対に、空は透き通るように高く、静かで、そよそよと心地よい秋の風がそよいでいた。