ポジティブ・アクション48

ミッシェル  2009-10-28投稿
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「アンソニー…」

初めは信じられないという様子でそのアンソニーという男を見つめていたが、次第にその口元は緩んでいく…。

「ふっ。7年振りか?」

確かな記憶を下に、スティーブはそう尋ねた。

「そんな事より、覚えているよな?
あの時の事を…」

そう尋ねたアンソニーの目つきは、段々と鋭い物となっていく…。

そして、彼の握り締めた拳が震えているのをスティーブは見逃さなかった。

「ああ。7年前…。俺がまだ17の頃だったな。

その頃の俺は、賞金稼ぎの親父と共に旅をしていた…。

そう、犯罪者を捕まえながらな。そしてその旅の中での親父の1つの目標…。

それは、お前の父親であるディアスの麻薬王アラムを捕まえる事。

その為に俺達はロシアへと渡り、アラムの居場所を突き止め、そして奴を襲撃した……」

次の瞬間、アンソニーの力強い声が彼の言葉を遮る。

「そうだ!! 俺達を襲撃した!

何の前ぶれもなくな! だがそれでも親父は戦った。

血だらけになりながらも、親父は俺を守ろうと必死に戦っていた…。

そして、何とか俺を連れてアジトから逃げ出したのは良いが、お前の親父は容赦なく俺達に追い討ちをかけてきた…。

ふっ。それからだ…。親父が、俺を守る為に最後の力を振り絞り、お前の親父を追い詰めた時…。

お前は持っていた銃の引き金を引き、親父を簡単に…簡単に殺しやがった…!!」

アンソニーは怒りを露わにしながら、周囲にいる部下達に目で軽く合図をする…。

「!?」

その時、スティーブの後頭部を重い衝撃が襲った…。





続く



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