遠い遠い君へ

くろ  2006-08-07投稿
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え・・・?
佳奈先輩は今なんて言ったの?
付き合ってたって・・・。

私は混乱して言葉が出てこなかった。

「え・・・。」

「急に言われても困るよね・・・。
 あのね、私、すごい晃輝先輩に憧れてたの。
 んで、その憧れが好きに変わって言っちゃって・・・。
 告白したの・・・。」

「あ・・・はい・・・。」

「晃輝先輩はOKしてくれた。
 そのあとの生活は火が灯ったように輝いてた。
 晃輝先輩は優しくて・・・。
 でもね、だんだん晃輝先輩は受験で忙しくなっちゃって・・・。」

辛い。話してる先輩だって辛いだろうけど、
聞いてる私はもっと辛い。
私も好きなのに・・・・。

「突然、別れよう。って言われちゃった。
 辛かったなあ・・・。
 でも私諦められなかった。 
 私まだ好きなの。
 んで、頼みがあるんだけど・・・。」

「な、何ですか・・・?」

「晃輝先輩のメルアド知ってるよね?」

「な、なんでそのことを・・・?」

「晃輝先輩が紅璃に紙渡してるとこ見ちゃった。
 だからさ・・・
 先輩に、櫻田佳奈にメールしてって言っといてくれるかな?」

断りたい。
だって、先輩が晃輝先輩に何らかのアピールをしたら、
絶対、心が揺れるに決まってる。

でも、断れるわけない・・・。

「は、はい・・・任せてください。」

私は何をやってるんだろう。
メルアドなんて知らないと言ってしまえばよかった。
馬鹿だ。

ぎこちない笑顔を浮かべ、佳奈先輩と別れたあと、
晃輝先輩にメールを送ることにした。

「こんにちは。
 あの、櫻田佳奈先輩って覚えていますか?
 もし覚えていたら、その先輩にメールを送ってあげてください。」


どうやら佳奈先輩は、アドレスを変えても、
必ず先輩にも教えていたらしい。
でも一度も返事が返ってくることがなかった。


30分後、晃輝先輩から返信がきた。

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