家に無事に帰還すると風呂に入り、ご飯を食べずに眠ってしまった。
次の日になると気分が悪くなってきた。なぜなら、金曜日だからだ。悪夢の金曜日…。一時間目から英語。二時間目は数学。三時間目は政治。四時間目は化学。僕はこの流れをデッドリーカルテットと呼んでいる。この流れは死ぬほどつらい。
カルテットから逃れると昼休みがやってきた。午後の授業は楽なものばかりなので心が躍った。屋上に到着すると奈々さんがいないことに気づいた。奈々さんより早く屋上につくなんて今まで無かったので少し驚いてしまった。もう少しで来るだろう、と思い僕は弁当を食べることにした。
『圭護、ちょっといい?』弁当を食べていると後ろから奈々さんが声をかけてきた。
驚いた…。奈々さんが男子に話しかけてくるなんて今まで見たことがない。フライデーに写真を撮られるくらいのスクープだ。というか、何で僕なんかに。
『い、いつでもOKです』
『聞きたいことがあるんだけど』
『な、何?』
『ゲームって、どこが面白いの?』奈々さんは無表情な顔で言った。
驚いた…。奈々さんの口から“ゲーム"という単語が出てくるなんて考えもしなかった。それに難しい質問だ。