『それは…面白いから』僕は答えになっていない答えを言ってしまった。
『どうして?』奈々さんは言った。
『えーっと、現実逃避…できるから、かな?』よくわからないことを言ってしまった。
『現実逃避…。そうなんだ。ゲームをしているってことは苦しんでいるからなんだ』奈々さんは一人で納得していた。
違うような気がしたが、せっかく納得してもらったので何も言わないことにした。
『ありがと』奈々さんはそう言うといつもの場所に歩いていった。
夢のようだった。奈々さんと話せただけで死んでもいいような気がした。
『圭護、調子こいてんじゃねぇよ』太郎が言った。
太郎の側には、会員番号十番と十一番がいた。
『奈々さんと会話ができるのは会員だけだ』十番が言った。
そんな法律誰が決めた。てか、だったら先生もダメじゃん。
『だけど、奈々さんから話しかけてくれたのに無視するなんて不愉快にさせるだけだと思うけど』
『だったら、会員になれ』太郎は命令口調で言った。
『ちょっとそれは…』
絶対に嫌だ。