いつもの場所で?

YOSI  2009-10-29投稿
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翌年の3月、哲彦と義人は、3連休を取り、義人の言っていた店に行くため、九州へ旅立った。
剛夫も誘ったのだが、都合がつかなかったのだ。
「剛夫残念だったなあ。出来れば、3人揃って行きたかったけど…」
「まあ、次回に来れればな…。ところで、お前、その娘(こ)に?したのかよ?」
「もちろん。同伴もって言われたけど、そこはな…お前いるしな」
「なんだよ。俺に気使うなよ。お前のそうゆう点での消極的なとこ直せよ」
義人は、恋愛のことになると消極的なところがある。
ましてや、今回は客とホステスとゆう立場にもかかわらずだ。
哲彦的にも心配しているのにだ。
「まあ…今回はな…」
義人は、ある意味、お人好しだ。
サービス業を長くやってるせいか、普段でも、相手に気を使う。
それが、歯がゆくもあった。
「なあ、義人、これからしばらく、定期的に行くぞ。お前の言う、もっと広く出会いを求める為にな!」
「ああ…構わないけど、お前はいいのかよ。確か、お前に彼女いたよな。そればかりか、告られたって」
「だいぶ前に終わってるよ。お前に話を聞く前にな。」
「けど、あらかじめ言っとくぞ。向こうだって、例え仲良くなっても、所詮、客と従業員だぜ。その辺わきまえないとな…」
「わかってるよ。けど…そこから先は、お互いの気持ちだろ。お前は、そうゆうところ冷静すぎるんだよ。」
義人には、哲彦の思いやりは、痛いほどわかっていた。
そのことで、延々言い合ったこともある。
そんな恋愛下手の義人と、恋愛には冷めがちな哲彦は、今回の旅行で、殻を破ろうとしていたのだが…。
それ以上に、今回参加しなかった、剛夫を心配していた。 剛夫は十数年前に、彼女と別れてから、恋をしていない。
そう、3人とも、恋愛には、いろいろとトラウマをかかえていたのだ。
哲彦と義人は、思いを秘めつつ、九州へ向かった。



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