季節は春。
桜が舞う中私は一人悩んでいた。
「やっぱ…こっち?いやこっち?」
「なに雑誌読んでんねん!お前はバカか!」
そう。私は雑誌と格闘していたのだ。
「バカにバカ言わんといて ーや!」
「あ、認めた。」
「…直樹のバカ!!」
私は直樹を置いて走って学校に行った。
「バカおはよう!」
「おは…なんでいるん。」
私の前には直樹がいた。
「バカには分からないだろう☆」
"バコンッ!"
凄い音が廊下に響く。
「いって!何すんねん!」
「知らん。直樹がバカバカ言うからじゃん。」
私はそう言いながら上履きに履き替えた。
「だってバカじゃん。」
「バカで悪かったな!もう直樹なんて知らない!」
私は教室に向かって走った。すると腕を捕まれた。
「ゴメン…言い過ぎた」
直樹だった。
「うん。私こそごめんなさい。」
私"上原由奈"はこいつ"井上直樹"といつもケンカする。
けど仲直りするのも早いと言う…不思議な関係。
だから…
「ちょー。朝から暑すぎやって♪」
などと言われる始末…。
直樹が悪いんだから!
こんな私達が恋愛したらどうなるんだろう…。
直樹が私を好きになる…
「なんでやねん!」
「いたっ!」
無いよそんな事。
だって直樹には……
「直樹ー♪」
直樹には…
「柚。おはよう!」
彼女がいるから。