あぶり出し ?
会議室に戻ると、皆は、ワクワクしながら、袋を開け始めた。
防水がしっかりしていたため、シミ一つ無い状態だった。
「ワッ!下手くそな字!」
一人の男が言った。
「本当だ。何を書いたか、読めないや!」
それぞれの袋の中には、懐かしい思い出がいっぱいだった。
「ねえ亜紀。何が入ってた?」
大石めぐみが、亜紀の袋を覗いた。
「あぁ、これこれ!」
亜紀が、袋から取り出したのは、手紙の封筒だった。
めぐみは、封筒の表書きを見て驚いた。
「アッ!“ケンちゃんへ”だって!」
「謙介へのラブレターか?」
智樹が言うと、亜紀が清ました顔で答えた。
「そうよ!」
「“そうよ”って、亜紀!そんな物入れたのか?」
謙介が顔を赤くして言った。
「良いじゃないの。どうせあんた達は、結婚する約束をしていたんだから!ねえ、皆」
めぐみが言うと、誰もが頷いた。