悲愴の水使い?

ROCO  2005-02-27投稿
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ここはガルラ。近頃砂漠化がすすみ町の人々は他の土地への移住を考えていた。
「しかし町長…私たちは長くこの土地に暮らしています。みな他の土地で暮らしていけるのか不安です…。」
そう意見するのは町民代表のアリス。
「いっそのこと王国から魔法使いをよこしてもらうか?そうすれば魔法で少しは農業をしやすくなるんじゃないのか?」
こちらの口の悪い男も町民代表のカイ。町民はみなアリスとカイの意見に賛成している。
町長は考えた。はたして王国直属の魔法使いがこんな小さな町に来てくれるのだろうかと…。
しかし他に考えも浮かばず、移住の話もすすみそうにないので無理を承知で王国に魔法使いの派遣を要請することにした。
そして王国に要請してから5日がたった。 アリスとカイは再び町長の家に行った。
「やはり無理だったか…。」
それでなくても魔法使いというのはめずらしいのだ。こんな小さな町のために魔法使いを派遣するわけがない。そう町長は諦めていた。
「そう肩を落とすなって…もうちょっと待ってみようぜ。」
カイがちょうどそう言った時だった。
町長の家の扉が軽い音をたててノックされた。
「はい。今出ます。」
落ち込む町長のかわりにアリスが扉を開ける。
「すみません…ここは町長殿の家ですか?」
訪ね人は、か細い娘だった。それも人形のように綺麗な顔をしている。
「確かにここは町長の家だけど、お嬢さんはいったいどなた?」
娘はその質問には答えず、アリスをずけずけと通り過ぎていく。
「ちょっと…!!」
娘は奥に進み、さらに驚くカイも通り過ぎて町長の前で立ち止まる。
「あなたが町長殿ですか?」
娘の存在に町長はようやく気付いた。
「そ、そうだ…私が町長だが。」
すると娘は肩にかけていた鞄から紙きれを取り出し、町長にみせた。
「あなたが王国に要請した魔法使いの派遣が承認されました。私が魔法使いのサラです。」
「え、あんたが魔法使いだって?」
カイが小馬鹿にしたように聞いた。
「そうです。」
あまりに真面目に返事をしたのでカイは言葉を失った。もちろん町長もアリスも唖然としている。
「その…魔法使いってのは皆あんたみたいに若いのか?」
「何か問題でも?」
「いや…別に。」
目の前のか細い娘に町長もアリスもカイも一抹の不安を感じた…。

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