4階はシアタールームとフィットネスクラブがあり5階はエステと花屋と美容院がある。6階から13階までがホテルになっていて14階はディナー専用の高級レストランとバーがある。
最上階の15階はVIP会員のみ利用出来るホテルになっている。
真理達が乗ったエレベーターは途中で一度も止まる事なく最上階の15階で止まった。
あの真っ赤なスポーツカーからして真理と一緒に居た男は、かなりの金持ちなのだろう。
俺はショックで震えていた。
まだ真理が浮気しているとは限らない、などと自分を宥めてエレベーターに乗った。
俺の他に数名の客が乗って来て3階や4階のボタンを押した。
俺は震える指で15階のボタンを押した。
エレベーターに乗っていた客達が全員、俺の方を怪しげな目で見た。
俺は、そんな視線を構っている余裕などなかった。
真理が浮気だなんて…考えないようにしても考えてしまう…頭の中がパニックで身体が、どうかなってしまいそうだった。
エレベーターが3階、4階と止まり客達は降りて行くが、誰もが俺の方をチラチラと見ていった。
誰が、どう見ても俺は怪しい人物にしか見えないのだ。
俺が15階に行った所で、どうにもならない事は分かっている。しかし居ても立ってもいられないのだ。
エレベーターは15階に止まりドアが開いた。
廊下に一歩出た俺は呆気に取られてすぐに立ち止まった。
先っきの3階や4階で扉が開いた時の景色とは全く比べ物にならない。
本当に同じホテルなのか?
まるで異国に来てしまったようだ。
真っ赤な絨毯に天井には見た事もないような美しいシャンデリア。廊下だけでここまでするのか、というくらいお金をかけた作りだ。
ここで、この豪華さだ部屋の中は、どれだけ凄いのか…想像すら出来ない。
すぐさま俺はエレベーターのボタンを押した。
ここは俺のような凡人が立ち入れる所ではない。
物凄く危険な場所に入ってしまったかのように思えた。色んな恐ろしさで体がガタガタと震えだした。
こんな時に限ってエレベーターは、なかなか来ない。
気持ちだけ焦る。
その時、どこかのドアが開く音がした。
ヤバイ!
と思った所へエレベーターが来た。
つづく