デートのキャンセルのメールが来てから、もう5日が経っていた。
新からの連絡は、ない。
メール、してみようかな… でも忙しかったら…
そんなことばかり暢気に考えていた。
…新が、どんな状況に置かれているかも知らずに…。
その日、事件は起きた。
「ちょっと…何コレ…」
同僚の小林がコピー機の横で何か紙を見て立ち尽くしている。
段々とそこに集まる職員。
視線は私に向けられている。
「なんですか?」
私もその場に向かう。
「…タチの悪い、イタズラですよ」
小林が眉間にしわを寄せながら、紙を渡してきた。
『岸真理は高校生と
付き合っている犯罪者 だ!』
紙に大きく書かれた文字…
一瞬、頭をハンマーか何かで殴られたような衝撃を受けた。
分かっていたこと…。
でも…
でも…私は新を好きなだけ…。
ただ それだけ…。
何枚も、何枚もFAXで送られてくる。
止まらない。
「まったくーっ!岸さん誰かに恨まれること何かしたんじゃないですかー?」
「そうですよ!こんな事書かれちゃうなんて」
集まっていた職員が口々に言った。
私はFAX用紙を、見つめていた。
続く