溺れる魚 18

ゆう  2009-11-01投稿
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デートのキャンセルのメールが来てから、もう5日が経っていた。


新からの連絡は、ない。


メール、してみようかな… でも忙しかったら…

そんなことばかり暢気に考えていた。



…新が、どんな状況に置かれているかも知らずに…。





その日、事件は起きた。

「ちょっと…何コレ…」
同僚の小林がコピー機の横で何か紙を見て立ち尽くしている。

段々とそこに集まる職員。

視線は私に向けられている。

「なんですか?」

私もその場に向かう。

「…タチの悪い、イタズラですよ」

小林が眉間にしわを寄せながら、紙を渡してきた。




『岸真理は高校生と
 付き合っている犯罪者 だ!』



紙に大きく書かれた文字…

一瞬、頭をハンマーか何かで殴られたような衝撃を受けた。




分かっていたこと…。

でも…

でも…私は新を好きなだけ…。

ただ それだけ…。




何枚も、何枚もFAXで送られてくる。

止まらない。



「まったくーっ!岸さん誰かに恨まれること何かしたんじゃないですかー?」

「そうですよ!こんな事書かれちゃうなんて」

集まっていた職員が口々に言った。




私はFAX用紙を、見つめていた。



続く

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