「まず、ラーメン屋いくか?」
義人の一言で、二人は、事前に調べていた、評判のラーメン屋に食べてに行った。
「すげえ列だなあ…ところで、店何時からよ?」
「7時からだよ。あっ、メールだ」
「誰からよ」
「例のお店の子からだよ」
「なんだって?」
「時間あるから、同伴してくれないかって」
義人は、あまり乗り気でない表情を見せた。
それは、明らかに哲彦に気を使っているのがわかった。
「向こうも、お客さんとして、俺を認めてくれたんだな…行きたいけどな。」
義人は、誰にでも気お使うので、今も友人との時間を大切にしているのがわかる。
「いいよ。行けよ。ラーメン明日にでも食えるだろ?お前気使いすぎだよ。いい加減、その優しすぎる性格直せよ。
『今すぐ行く』って返信しろよ」
「…でも。いいのかよ」
「いいっての。お前、いつでもそんなんじゃ、この先の、あらゆる出会いも期待出来ねーよ」
哲彦の説教に、義人はやっと決断した
「わかったよ。じゃあ行くから。お店の待ち合い室で待ってるから」
「ああ」
やっと、義人は、お店の子の方に向かっていった。
「たく、世話のやけるやつ…」と哲彦は思ったが、内心不安もあった。
学生の頃は、縁がない世界だなと思っていたし、義人や剛夫と遊ぶと行ったら、スキー、ボウリングとパターンが決まっていたからだ。
ましてや、義人は、いつも発案したことに、文句を言わずついていく方だったかだ。
その義人の発信で、踏み入れる世界だけに、期待半分、不安半分だった。
「まあ、あらゆる世界を見るのも勉強だしな」と心の中で思い、「緊張しないように…」と、自分に言い聞かせた。
まだ、順番まで時間があるので、剛夫に電話をした。
「おお、九州はどうだ?」
「まあ、あったかいよ。今、あいつ、例のお店の子のところに行ったよ」
「へえ〜。いわゆる同伴ってやつかな?」
「ああ。俺も後で店に行くけどさ。まあ、楽しい時が過ごせりゃな。お前も、次は来いよ。」
「金が、あればね。考えとくよ」
剛夫のいつもの答えだ。
剛夫にも説教することは、あるが、ひとまず、ラーメンを食べて、例のお店に向かうことにした