ほんの小さな私事(130)

稲村コウ  2009-11-02投稿
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教頭先生は、保健室に入ってきて、静かに扉を閉めると、笑顔を見せながら会釈した。
「では、改めまして。私は、この学校の教頭を務めております、草壁恭華と申します。多分、加藤先生から説明を受けているとは思いますが、GH会の総括も務めさせていただいております。」
凛とした喋り口に上品さを感じさせるその身のこなしは、まるで、何処かの上流階級婦人を思わせる。
私も母から、上品な身のこなしを教育されているが、そんな私から見ても、この方は、格が違うと感じる様な雰囲気を身に纏っていた。
「今回の一件では、さぞや大変でしたでしょう。しかしながら、今現在、この学校では早急に、その様な事件に対処できる人材を多く育成していかなければならないのです。GH会とは、そういった人材を育成する機関。話が急くようで申し訳ないのですが、有能な皆様には、是非とも、GH会に所属して頂きたく存じます。」
そう言われたものの、私たちは、唐突の事に、ただただ、呆然とするばかり。
そんな中、高野さんが意気揚々と声を張り上げて言った。
「ゴーストなんちゃらとか、あんまり良く解んないけど、要するに、お化け退治とか、そういった事をする、なんていうかー…ヒーローみたいなのになれって事よね?うん、いいんじゃない?私が何出来るか解んないけど、沙羅ちゃんのサポートとかぐらいは出来るだろうし、ヒーローってのも悪くないわよね!」
そう言いつつ、私の方を見る彼女。その目はまるで、子供の様に輝いていた。

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