夕暮れに燃えた西の空
足をとめた帰り道
見上げる瞳は朱い硝子
胸にあふるる思いは何処へ
流れ着けば安堵の笑顔
あなたの住む西の彼方に
風に乗った私の言霊
あなたの渇いた心に降り注ぎ
潤す雨は私の言霊
一体何を恥じましょう
一体誰を恥じましょう
踵を返したその先は
反りの付いた針ばかり
先待つ苦痛に歪みつつ
進めた脚は穴だらけ
後には黒い血の海だけよ
あなたの足がすくむのなら
私の背中にのればいい
あなたの瞳が歪むのなら
瞳を閉じて眠ればいい
苦痛は全て受けましょう
慣れた私が受けましょう
どうせここは帰り道
幾度も歩いた帰り道
今日はあなたと帰り道