第四章 困惑、慣れない恐怖
チャイムが鳴ると、皆自分の席に戻った。そしてその数分後、先生がやってきた。
「えー、皆さんおはよう。今日は始業式ですから、この後体育館に移動します。」
そんな連絡を聞き、俺達は体育館に移動した。廊下は生徒達であふれかえり、なかなか前へ進まない。そしてやっとのことで体育館にたどり着いた。もう1組から4組は来てるようだ。5組は、4組の隣に並んだ。さらに数分すると、残りのクラスも到着し、全校生徒がここに集結した。辺りは凄くざわついている。その声は突然発せられた。
”お前ら黙れ!!”
!
突然の怒鳴り声にそのざわめきは一瞬にして静まった。そんな言葉の後に、その声の主が姿を現した。
”お前ら一体今何時だと思っている!?今日は1年もいるから時間も押してるけど少し黙って見てたら……、なぁ!お前ら上級生が手本見せないでどうやって後輩しつけんだよ!?ペナルティーとして2年、3年全員減点だ。連帯責任だ。恨むなら阿呆みたいに時間過ぎてても喋り散らかしてた馬鹿者を恨むんだな。”
減点と聞いて上級生は落胆していた。自分に非がない者まで被害を受けたから当然だろう。
”……では、以後気をつけるように。あと、この場に遅れて入ってきた者、すなわち遅刻した者はもちろん減点とする。覚悟せよ。”
声の一つ一つに怖さ、威圧するものがあった。怖いのはそれだけではない。体格は人一倍良く、どっしりしている。髪は短く逆立っており、黒いジャージを着ていた。年齢は50くらいか。
(体育教師かよ……怖ぇ〜。)
恐らく、ほとんどの新入生が俺と同じ印象を持ったであろう。
一瞬の静寂の後、始業式はようやく始まった。
始業式はお馴染みの学園長の挨拶から始まった。話は5分くらい、今怒られたことも話題にして、
「またこのようなつまらないことで怒られないよう心掛けること。」
といった締めで終わった。
始業式はすぐ終わり、この後対面式へと移行した。新入生代表と、清明学園生徒会長がお互い挨拶をした。
(新入生代表っていつ決まってたんだ?)
そんな疑問を残し、対面式も無事終了した。
対面式の後は入学式で進行役を務めていた先生からこの後の予定を聞き、始業式、対面式はようやく終了した。