―拓朗が戻って一週間後の
光希クラス
光「最近…猛こーへんなあ」
隣の空いた席を見つめた
その言葉に雑誌を読んでいた
慶太郎も顔をあげた
光「波音も来てへんみたいやし、
どうしたんやろなあ…
自分、猛の親友なんやろ?
なんか聞いてへんの?」
慶「うん」
光「…はあ…
もうちょっと心配したりとか
せえへんの」
慶「…んーまあ…心配かな」
光希はため息をついた
その様子を見て
慶太郎は少し考える
慶「…今日放課後暇?」
光「え?」
慶「なんなら、タケん家、
行ってみる?」
――放課後、光希は
自転車を押しながら歩く
慶太郎の隣を歩いていた。
光「やっぱり風邪かなー」
慶「…そうかもな」
光「…もしかして
二人揃ってサボリとか」
慶「…そうかもな」
光「…」
慶「……ごめん」
光「え?」
慶「いや、俺…
話すの下手やから」
慶太郎は珍しく
申し訳なさそうな顔をした。
光希が声を
かけようとした時だった。
「みっきー★!!
けいちゃーん!!」
後ろから聞き慣れた声が
追いかけてきた