朝になり、私は自然に目を覚ました。
私の隣にまだ優真さんが寝ていた。
しばらくすると、優真さんの携帯電話が鳴った。
電話の相手は彼女だった。
【また失う】
私の中で嫌な記憶が蘇る。
そんな不安から私は、まだ寝ていた優真さんに
「亜弥の事好きですか?」
聞こえていないと思って、そう聞いた。
突然優真さんが起き上がって、私にキスをした。
そして、強く私を抱きしめた。
「好きだよ…俺も亜弥と付き合いたい…だから、今の女と別れる」
優真さんはそう言って私の顔を見た。
「ホントに、好きにさせられちゃったな」
優真さんは笑っていた。
その時私は頭の中で
【やっと春樹が帰ってきた】
そう思っていた。
大切な者は大切な者とも変えられない。
私は完全に自分自身を見失っていた。
そうして、優真さんは私を家に送ってから、自分も帰って行った。
家に帰ってから私は、幸せなはずなのに、なぜかもう優真さんに会えなくなる様な気がしていた。