「…あ、やっと帰ってきた。
今日も遅かったね。
お仕事、大変なの?
…あ、お酒クサ〜い。
珍しいんじゃない?貴方がお酒なんて。
私、貴方がお酒なんて買って来たの、見た事ないもの。
誰かと飲んで来たんだ?
もしかして、いい人できたの?
私、知ってるのよ。
あの女の人がこないだ買ってきた食材。
…さては、肉じゃがでも作ってもらうつもりでしょ?
…ははぁん、さてはその人と飲んできたのね?
…え、一人だったの…?
……やけ酒……?
どうしちゃったの…?
…そっか、ケンカ…したんだ。
大丈夫、私はいつでも貴方の味方だよ?
貴方は私を冷たいと思ってるかも知れないけど、私いつでも貴方を待ってるんだよ…。
…でも、私思うの。
まだ今なら間に合うって。
貴方はそんなに小さな人じゃない。私みたいに、色んなモノを包み込めるはずよ。
ほら、行って。仲直りしてきて。
今ならまだ間に合うよ。
肉じゃが、作ってもらおうよ。
大丈夫、食材なら私が夜通ししっかり見張ってるから。
…大丈夫、私、冷たいもの。
でも、貴方への気持ちは…冷たくできないんだけどね。
夜道、車に気をつけてね。
私、信じてるからね。
仲直りしたら、今度はあの女の人とシャンパンでも買って来て、うちでパーティーしようよ。
楽しみだなぁ。
私、頑張らなきゃ。
大丈夫、シャンパンは私の中で、ちゃんと冷やしておくから」